油彩画 

石垣栄太郎 (1893-1958)
イシガキ、エイタロウ
昭和4年/1929
油彩・キャンバス・額・1面
91.0×106.0
左下に署名、年記
13回独立美術家協会展 ニューヨーク、ウォルドルフ・アストリア・ホテル 1929

36

Arm
1929年
油彩・麻布 91.0×106.0㎝
石垣栄太郎にとって絵画とは常に変わることなく、自ら差別され、虐(しいた)げられている者としての社会的なプロテスト(反抗)の場であり、また、社会主義者としての政治信条喧伝(けんでん)の手段であった。禁酒法、移民制限、大恐慌、ニューディール政策といった激動の世相を見せた、両世界大戦間の時代のアメリカという場においてこそ、それははじめて充全に展開され、また、受け容れられ得たものである。《腕》も明確な社会主義的意識の下に描かれた、労働者の賛美である。それ以前に描かれた《鞭打つ》(1925年)、《拳闘》(25年)といった作品には、形態の幾何学的還元というキュビスム的関心の片鱗が見られたが、ここでは全く影をひそめ、極めて素直な社会主義リアリズムに落ち着いたといえる。とはいえ、この作品が今も我々に訴えかける普遍性をもつのは、それが何等かの具体的な政治上の主張を説明的に図解したものではなく、一個の人体、しかも顔を省き去ってしまった後の匿名の局面にその注意を集中しているからであろう。主題内容から一歩距離を取り、絵画固有の領域を自覚することによって、逆にこの作家が身をもって生きた思想が、強い浸透力をもって作品に行きわたったのであろう。

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