黒衣婦人像

油彩画 

前田寛治 (1896-1930)
マエタ、カンジ
大正14年/1925
油彩・キャンバス・額・1面
91.0×72.7
左下に署名、年記
1回聖徳太子奉讃展(「黒衣の少女」) 東京府美術館 1926

67
黒衣婦人像
Woman in b1ack
1925(大正14)年
油彩、麻布 91×72.7cm
oi1 on canvas
1926年 第1回聖徳太子奉讃展
留学中の前田は、周囲の画家たちがフォーヴィスムをはじめとする新しい絵画へ向かっていったのとは逆に、ゴッホやセザンヌを経て、ひとり古典への傾倒を深めていった。その背後には、日本では学び得なかった西洋絵画の伝統を体得しようとする意志と、感性だけをたよりに詩情を満たした自らの作品の危うさを補強しようとする理知的な自覚があったといえる。そして前田が注目し、学ぼうとしたのが西洋絵画の根幹にあるリアリズムの伝統であり、とりわけクールベに対する人間的な共感をも含めて、その冷徹な写実主義であった。ただしそこから描かれた作品には、二つの傾向があり、そのまま留学中の作品の特色ともなっている。一つには〈二人の労働者〉(1923年)のように、社会の底辺に生きる人人に題材をとったものである。もう一つは、〈裸婦〉(1925年、当館所蔵)やこの作品のように古典的な雰囲気を伝えるものである。ことにこの作品では、衣服の黒を中心にした渋い色調に加えて、安定した構図と量感あるフォルムにより、古典的な重厚さと端整な気品をたたえている。そして適度な描写と省略を重ねながらも、細部への配慮は衣服の縁飾りに見られ、それは同時に画面全体のアクセントとなっている。

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