楼閣山水図
ロウカクサンスイズ
概要
袁江は清朝前期に出身地の揚州を中心に活躍した画家である。その大観的な山水画様式は北宋の北方系の山水画に学ぶもので、雄渾な筆致で広大な空間を自在に描き出し、清朝第一との評を得た。本図は、中唐の宰相、裴度が洛陽の南に構えた別荘、緑野堂の様子を涼しげに写し出す。屏風の裏側には、揚州の袁謀正の書になる宋、欧陽修の「酔翁亭記」が張られている。袁江がてがけた大画面は多いが、屏風の体裁をとどめるものは以外に少なく、一八世紀に隆盛を誇った揚州商人たちの邸内装飾を伺う資料としても貴重である。