山水図
さんすいず
概要
石濤(せきとう)は明の王室の一員として生まれましたが、三歳の頃に明が滅亡し出家、その後は遺民として過ごした人物です。明末清初の個性派を代表する人物として、高い評価を受けています。これは安徽省溪南(けいなん)の八景のうち、「南山翠屏」の詩意を描いたものです。
左上に書かれた題は、そこから眺めれば、黄山の天都峯(てんとほう)、雲門峯(うんもんほう)まで眺め渡されるようだ、という意味で、後ろのひときわ高いのが天都峯、二つに分かれているのが雲門峯でしょう。本図は昭和の南画の大家・小室翠雲(こむろすいうん)の旧蔵品でした。