遊園地
概要
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古賀春江(1895−1933)
KOGA,Harue
遊園地
Amusement Park
大正15年(1926)
東京国立近代美術館蔵(高松太郎氏寄贈)
パウル・クレーの影響を受けた幻想的・童画的な作風は,この絵が描かれた1926年から,古賀春江の作品にあらわれる。同年の第1回聖徳太子奉讃美術展には,これとほぼ同じ構図の作品(ブリヂストン美術館蔵)が出品されている。抒情性に満ちた画面は,心から湧出するイメージを,水彩の特性を生かしてすばやく描きとめたもののように見えるが,実際は,さらに同じ構図のものを何枚も描いていくことで入念に画面をつくりあげていたのである。