老人の首
概要
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老人の首 中原悌二郎作 一個
ブロンズ
高六〇・〇
大正五年(一九一六)
東京国立近代美術館
中原悌二郎(一八八八〜一九二二)は、北海道釧路に生まれる。上京し、絵を学ぶが、荻原守衛と出会い、その死をきっかけに彫刻に転ずる。約十年間の活動、十点あまりの作品を残したのみで、肺結核で天折。この作品は、彫刻を始めてまもない頃のもので、第四回文展に入選。白樺美術展で実作を見てうけたロダンの影響をうかがわせる。それは、写実にとどまることなく空間に広がりを与えるということだった。ただ、彼の後の作品は、むしろロダン流以降の様式の彫刻として位置づけられるものである。