涅歯(はくろめ)

日本画 

菊池契月 (1879-1955)
キクチ、ケイゲツ
昭和8年/1933
彩色・紙本・額(アクリル等)・1面
159.5×76.5
右下に落款、印章
4回七絃会展 東京、日本橋三越 1933

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涅歯(はくろめ)
Hakurome(Woman Who Dyed Her Teeth BIack)
1933年
紙本彩色・額 159.5×76.5cm
1922年菊池契月は教授をつとめていた京都市立絵画専門学校から派遺されて、中井宗太郎、入江波光とともに渡欧した。この時彼はイタリアのプロト・ルネッサンスの作家、とくにチマブエやジョットに惹かれ、実際にいくつかの作品の模写を試みている。東洋や西洋の古典的絵画を新しい感覚で生かそうとする彼の芸術の方向は、帰国後いっそう明確になり、《立女》《南波照間(はいはてろま)》などの作品を生むが、それに続く《涅歯》は澄みきった端正さとともに、ゆったりとした優雅さをもっている。《立女》《南波照間》にはルネッサンス絵画の意図的な導入が認められるのに対し、《涅歯》ではその影響は彼の清楚な表現の中に消化吸収されており、円熟期の代表作に挙げることができよう。
涅歯とは歯黒(はぐろ)めのことであり、御歯黒(おはぐろ)、鉄漿(てっしょう)ともいう。鉄片を茶の汁あるいは酢につけて酸化させた液で歯を黒く染める風習で、古くから上流婦人の間に起こり、室町時代には女子9歳のころにこれを行って成人のしるしとし、また江戸時代には既婚の女性のほとんどが行った。第4回七絃会展に出品された。

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