兄及ビ彼ノ長女 あにおよびかれのちょうじょ

油彩画 / 大正 

三岸好太郎 (1903-1934)
みぎし こうたろう
大正13年/1924
油彩・キャンバス  額装
縦45.8×横33.5cm
第2回春陽会展 日本橋三越 1924

兄及ビ彼ノ長女
Brother and his eldest daughter
1924年
北海道立三岸好太郎美術館蔵[O-14]

三岸好太郎の11歳年長の異父兄・梅谷松太郎とその長女てるよを描いた作品。梅谷は後に「新撰組始末記」や「勝海舟」などの時代小説で流行作家となる子母澤寛(しもざわ かん)である。この頃には東京大森に住み、読売新聞社会部記者の職に就いていた。
三岸は戸外に置かれたソファに並んで座る親子の姿を、親しみのあるまなざしで描き出している。アンリ・ルソーを意識してか、記念写真のように全身を正面向きでとらえている。「兄」はおごそかな表情で堂々と構えるわりに、体格はどこかバランスを欠いた寸詰まりな感じ。人形のような無心の子どもとのとりあわせが、ほほえましい。
前年の春陽会展初入選に引き続き、第2回展ではこの作品を含む4点の作品が入選、春陽会賞を首席で受賞して大きな脚光を浴びることとなる。岸田劉生からは「三岸好太郎君の諸作もまた不思議なる美くしい画境である。内から美が素純に生かされてある。愛情という様なものが形の上に美くしく生きてゐる」という好評を受けた。
三岸自身は雑誌に寄せた受賞の感想のなかで「静かに朗らかな雰囲気、又その内に浮漾する或る唐突さを感じさせるグロテスクな、又はファンタスティックな感じさう云う味が、私の表現したいものである様な気がします。」と述べるとともに、味感だけでなく、形象や色彩そのものという絵画的要素を生かしたいとしている。三岸の生涯を貫く作画姿勢が、ここにはっきりと表れている。

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