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雲原砂防関連施設群

くもはらさぼうかんれんしせつぐん

概要

雲原砂防関連施設群

くもはらさぼうかんれんしせつぐん

史跡 / 近畿 / 京都府

京都府

福知山市

登録年月日:20060728
管理団体名:

登録記念物

雲原砂防関連施設群は、福知山市北部の山間部に所在する。当時の雲原村は度重なる水害で農地は荒廃し、収穫量も減少して村民は過酷な生活を送らざるを得なかった。特に昭和9年の室戸台風による被害は大きく、翌年雲原村長に就いた西原亀三は、復旧工事でなく抜本的な治水工事を望み、内務省技師であった赤木正雄に施設工事計画を要請するとともに、大蔵大臣であった高橋是清に砂防工事の必要性を説き、事業予算として認められた。これにより、赤木正雄の理想的なモデル工事計画が行われ、複数の流域(総延長約12km)にわたって堰堤11基、床固工157基、流路工41基が構造的連続性を持って配置され、一体的な機能を有する砂防施設が造られた。また、土砂災害に対する安全性を確保するため、徹底的・理想的な砂防工事を目指し、農地改良・用排水路改修・林地改修・集団耕地造成・農家移転を組み合わせた総合的な地域整備事業が行われた。その結果、水害抑制の効果が得られ、かつ大規模な換地・分合により耕作地が増えるなど農業振興に寄与することとなり、雲原地区の発展に大きく寄与することとなった。施設群は、現在に至るまでその役割を維持している。
 このように、雲原砂防関連施設群は、昭和10年代の我が国農村復興の様相を具体的に示すものであり、歴史的な価値を有していることから、登録する。

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