如来立像
にょらいりゅうぞう
概要
統一新羅期の金銅仏(こんどうぶつ)の典型的な様式・技法がみられる像。卵形を呈する頭部、通肩(つうけん)にまとった衣が体軀(たいく)に密着し、胴部と両大腿部の前面で放物線状の衣文が反復される形式などは直接的には唐代彫刻の影響を受けたものだが、中央アジアから東アジア全域に広がった、仏像の定型的な表現といえる。頭頂から両足下の枘(ほぞ)までを一鋳するとみられ、八花形で格狭間(こうざま)をもつ台座は反花(かえりばな)以下を別鋳とする。像本体は背面三ヶ所に杏仁(きょうにん)形のハバキ(型持(かたもち))を設けており、中型土(なかごつち)がきれいにかき出され、両足後方の裳裾(もすそ)の底が抜けている。
なら仏像館 名品図録. 奈良国立博物館, 2010, p124, no.169.