梅田氏庭園
うめだしていえん
概要
池田郷の豪族梅田氏の居館の林泉庭園である。前面に屈曲の多い池を穿ち、右手奥から引き入れた水路を2条に分ち中島の左右に落して滝を組んでいる。正面左寄りに巨石を立てて庭景の中心とし、その周辺の要所に石を配し流路と池とは石組によって護岸してある。右手は高い山脚で景をふさぎ、左手奥には高尾の山を遠望するほかスギ・アカマツ・モミなどの老木が空を蔽い幽邃な趣きをみせている。全体の構成と石組の手法には格調の高い室町時代末ごろの特色がよく保存され、この地方における庭園文化の伝播を知る上に貴重な作品である。