平等院鳳凰堂 両翼廊(南)
びょうどういんほうおうどう りょうよくろう(みなみ)
概要
平等院鳳凰堂 四棟
藤原頼通は永承七年(一〇五二)宇治の別荘を施入して寺とし、翌天喜元年(一〇五三)に新たに阿弥陀堂を営み供養した。これが鳳凰堂である。建物は中堂、翼廊、尾廊よりなる。中堂は桁行三間、梁澗二間、裳階付、入母屋造、本瓦葺、翼廊は各桁行折曲り延長八間、梁間一間、二階、切妻造、隅には宝形造の楼閣をあげ、正しく左右対称の形をとる。また背後には桁行七間、梁間一間、一階の尾廊をつける。このように外観はきわめて変化に富んで美しいが、さらに中堂内部の豊富な意匠装飾は、絵画、文様、螺鈿などを駆使していて、藤原氏全盛時代の芸術の粋を集めたもので、極楽浄土欣求の象徴として生まれた当時の名建築である。
【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)