舟形石棺/佐賀県佐賀市久保泉町熊本山古墳出土
ふながたせっかん/さがけんさがし
概要
熊本山古墳は脊振【せぶり】山地の南麓、清兵衛山【せいべえやま】から派生する低独立丘上に位置していた古墳である。本遺品は、昭和三十八年にみかん園造成工事中に発見された。
石棺は阿蘇溶岩【あそようがん】製で、身と蓋からなり、それぞれ一石の刳り抜きで作られている。底部中央から前後端にかけてゆるやかに反る形態をとり、身の内は三室に分け、中央に主室、その前後に副室を設けている。主室の一端には径約二〇センチの枕を造り出している。