藤原為氏自筆譲状〈文永六年十一月十八日/〉
ふじわらのためうじじひつゆずりじょう
概要
播磨国越部下庄は始め為家から嫡子為氏に与えられたが、後に為家の後妻阿仏尼に為相が生まれるに及び、為家はこれを不憫に思って為氏の手から同庄を悔還して改めて為相に譲与した。第一通はこの旨を記した為家(七十二歳)自筆の悔還状であり、為氏の同意を示す加判を連署している。第二通は同庄を為相に譲去る事を記した為氏(四十八歳)自筆の避状である。両幅は鎌倉時代御子左家分立の遠因を示すとともに、同家二代の筆跡を伝えて注目される。