川ととうもろこし畑
かわととうもろこしばたけ
概要
広島で中学を卒業した万吉は上京し、翌1914年第1回二科展に入選したことをきっかけに画家になることを意識したという。この作品が描かれたのはその後数年のうちと考えられるので、まだ油絵に取り組むようになって間もない頃の作品ということができる。興味の向いたものだけを一生懸命に描いた画面は、ともすればバランスを崩してしまいそうだが、大雑把なタッチの部分と、地味な色調を丹念に置いた部分とが不思議なほど釣り合いを取り、画面に適度な緊張感を作り出している。作者のセンスを感じさせる作品だ。