宗徧好四方釜風炉 五徳添
そうへんごのみしほうかまふろ ごとくそえ
概要
宗徧好みの四方釜用の風炉。宗徧流は山田宗徧を祖とする茶道流派で、佐賀藩には6代藩主鍋島宗教の代に伝わり、以下、歴代藩主が嗜んでいる(鍋島家文庫『雨中の伽』)。本作は、10代佐賀藩主鍋島直正が佐賀城下郊外に設けた別邸の神野御茶屋で用いた御道具のひとつ。
土を焼いて作った土風炉で、乾燥させ焼締めたのち研磨して漆をほどこしている。見込みには「天下一 宗四郎」の刻印があり、享和3年(1803)4月に御風炉師・松木宗四郎が南都の土を用いて制作したことが箱書きによりわかる。宗四郎は奈良土風炉師の家である西村善五郎宗全の弟。天下一の称号を賜った京都の土風炉師で、2代将軍徳川秀忠により江戸に呼び寄せられたのち、姓を松木と改めた。