親沢の人形三番叟
おやざわのにんぎょうさんばそう
概要
親沢の人形三番叟は、親沢諏訪神社の春の祭礼で奉納される操り人形の三番叟である。人形の首【かしら】は偃歯式【えんばしき】といううなずきの仕掛けが設けられているもので、遣【つか】い方とともに伝承されている唯一の事例とみられている。操り人形の遣い方の古い事例であり、芸能の変遷の過程や地域的特色を示していて貴重である。
本件は、長野県南佐久郡小海町の親沢区に伝わる操り人形戯【にんぎょうぎ】で、親沢諏訪神社の春の祭礼で演じられている。
三番叟の人形は,翁【おきな】・千代【ちよ】・丈【じょう】といわれる3体の人形が用いられ、人形はいずれも偃歯式の首である。偃歯とはセミクジラのヒゲで、偃歯式ではこれを遣い手が握る首の心串(しんぐし)から頭部の中に通し、引くことによりうなずかせるもので、うなずきの仕掛けでは最も古いと考えられている。人形の遣い手は、翁と千代は1人、丈は2人で人形を操る。
(※解説は選択当時のものをもとにしています)
所蔵館のウェブサイトで見る
国指定文化財等データベース(文化庁)