第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神
概要
185 ルソー、アンリ(1844−1910)
第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神 1905−06年
フランスのラヴァル生まれ。兵役に服したのち、パリ市の入市税関吏員となり、余暇に絵を描く。1893年退職後は音楽とデッサンの塾を開いて生活を支えながら、本格的な作画生活に入った。86年からアンデパンダン展にほぼ毎年のように出品し続けた。
この作品は、1906年3月のアンデパンダン展に出品されたもの。アンデパンダン展とは誰でも出品可能な無鑑査展のこと。正装した画家たちが会場に作品を運ぶ様子を幻想的に描いている。左に三色旗、右にパリ市の幟がひるがえり、並木の間に会場が見える。これは1900年のパリ万国博で「園芸宮」として建てられ、01年からアンデパンダン展会場として使われた。ライオンの右前方で向かい合って手をにぎっている二人の人物のうち、右がルソー自身である。ライオンや自由の女神は展覧会を主催する独立芸術家協会の寓意でもある。独学であることから素朴派といわれるルソーだが、芸術家としての自負は大きい。