四季山水図屏風
しきさんすいずびょうぶ
概要
この作品は、春夏秋冬の美しい風景を描いた屏風です。左右一対の屏風で、画面の右から左へ季節がうつっていきます。
では、向かって右の屏風の春の場面から見ていきましょう。右端のパネル、1扇目の画面右下を見てください。ロバをつれた旅人が3人、その視線の先には梅の花が咲いています。2扇目では雪解けの水が勢いよく流れ、小さな橋を渡って岩陰の細道をたどれば洞窟があり、頭巾をかぶった男性が座っています。少し上を見ると新緑が風にそよぎ、高殿ではその先に広がる景色を楽しむ人々の様子が描かれています。4扇目には水辺の東屋が見えます。季節は夏、水面を渡ってくる風が涼しそうです。どこへ向かっているのか舟も見えます。左の屏風には、雁の渡りから雪の景色まで、秋から冬の風景が描かれています。
屏風は部屋の間仕切りや風除けとして、日々の暮らしのなかで実際に使われ、鑑賞されたものです。この屏風があれば、いながらにして大自然の春夏秋冬を味わうことができました。
毎日一生懸命働いて、週末にゆっくりしたい、と思うとき、休みに有名な観光地に出かけたいけれど、忙しくてそれどころじゃないとき、こんな絵を眺めてゆったりくつろいだり、旅をした気分になるのもいいものです。