アトリエ
概要
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荒井龍男(1904−1955)
ARAI,Tatsuo
アトリエ
Studio
1949年
油彩・キャンバス
99.5×80.Ocm
東京国立近代美術館
1904年,大分県に生まれる。34−36年に渡仏,ザッキンに師事した。帰国後は自由美術家協会に参加し,形態を単純化した抒情的な作品を描いたが,戦後は次第に抽象性を高めていった。この作品は,その過渡期に位置する。台の上に置かれた石膏像や,作りかけの彫刻の配置された部屋には,画面左側から光が射し込んでいる。これらを表す線と色面は,単にアトリエを描写するのではなく,同時に純粋な造形要素としての線,色面の美しさをみせている。美の創造される空間としてのアトリエを描くことで,荒井はキャンバスという場がまさに,単なる対象の再現ではなく絵具による新しい美の世界の創造の空間であることを示そうとしたようにみえる。(S.0.)