財貨
ざいか
概要
財貨
ざいか
出土地:インドネシア共和国パプア州
20世紀
石製
縦46.2 横13.0 厚4.0
1個
この地に住むダニ族が、結婚式や葬式に際し贈物として使用する石斧形の交換財である。大形で由緒のある財貨は、神聖なものとして畏敬の対象になることもあった。財貨は、本品のようなスカート風の装飾を持つ石斧形のものが一般的で、袋と帯を加えた3点セットで構成されると言われているが、残念ながら本品にはそれらが伴っていない。縄文時代以降の日本列島では、石斧、石槍、銅鉾、銅戈、銅鐸など道具の大形化による祭器化現象が認められる。特に縄文時代の開始期には、遠隔地石材で作られた大形の石斧や石槍が1遺跡から纏まって出土することがある。本品は、このような道具の祭器化やその装飾を考える上で参考となるものである。