文化遺産オンライン

白糸威胴丸具足

しろいとおどしどうまるぐそく

概要

白糸威胴丸具足

しろいとおどしどうまるぐそく

その他 / 江戸

江戸時代・17世紀

1領

この甲冑は、16世紀の終わりから17世紀のはじめ、江戸幕府を築き、初代将軍となった徳川家康に仕えた松平家乗(まつだいらいえのり)という武将が着用したものです。主な部分は鉄や革でできた札(さね)と呼ばれる小さな板を白い絹の糸で綴り合せています。この技法は日本の甲冑では伝統的に用いられ、この甲冑では部分的に紅(べに)の糸を用いることで日の丸の模様をあらわしています。戦争が相次いだ16世紀、日本の甲冑は大きな変化を迎え、胴体を守る「胴」、二の腕を守る「袖」、頭に被る「兜」に加え、腿(ひざ)や脛(すね)を覆う「佩楯(はいだて)」や「脛当(すねあて)」など、全身を守る各部分の防具も同じ色の糸や装飾で作るようになりました。現在、こうした全身をコーディネートする甲冑は「当世具足(とうせいぐそく)」と呼ばれ、その名は「今風の甲冑」を意味しますが、これは16世紀までにあった甲冑を「昔具足」と呼び区別するために生まれた名称です。当世具足は、江戸時代には一般的な甲冑のかたちとして普及し、この作品は伝統的な技法を用い、兜などは装飾を抑えたシンプルなかたちをしていますが、大胆な色の取り合わせなどによって全身に統一感を持たせ、当世具足ならではの華やかさと格調の高さが生まれています。

白糸威胴丸具足をもっと見る

東京国立博物館をもっと見る

キーワード

具足 / 甲冑 / ぐそく /

関連作品

チェックした関連作品の検索