即非如一像
そくひにょいつぞう
概要
黄檗僧、即非如一(1616-71)の新出の肖像画。正面を向いて大きな曲彔に倚坐する即非を写実的に描く。画面上部には即非如一による自賛が伴う。
即非如一は中国福建省の人で、黄檗宗の開祖・隠元隆琦(1592-1673)を追って来日した。長崎・崇福寺、京都・萬福寺に住し、寛文5年(1665)、小倉・福聚寺を創建した。ここに3年間住したのち、寛文8年(1668)に長崎で没している。
着賛は、寛文6年(1666)のことで、即非が福聚寺にいた時期のものと分かる。賛文は、『即非禅師全録』巻12に収載されている。
本図を描いた喜多元規(生没年不詳)については詳細不明であるが、初期黄檗画家の喜多道矩の息子あるいは弟子と言われ、その画風を受け継いだ多くの肖像画を遺している。本図は元規の初期作例のなかでも制作年と製作地が明らかな基準作として重要な作例である。