廓然無聖

油彩画 

中村不折 (1866-1943)
ナカムラ、フセツ
大正3年/1914
油彩・キャンバス・額・1面
193.5×142.5
右下に署名
東京大正博覧会 上野公園 1914

79 中村不折(1866−1943) 廓然無聖 1914年
 東京生まれ。本名太郎。幼少時に長野県高遠に移る。小学校の教員をした後1887年上京し小山正太郎に学ぶ。1901年フランスへ留学し、はじめコランに学ぶが、ローランスの画風を好みアカデミー・ジュリアンに移る。05年帰国し太平洋画会会員となる。07年文展審査員、19年帝国美術院会員、37年帝国芸術院会員となる。
 不折は「光のあるものは光を描き人体ならば筋肉や骨の構造からして研究していかねばならない」とし、アカデミックな油彩技術の習熟を重視した。早くから漢籍に親しんでいた彼は、アカデミー・ジュリアンで歴史画家ローランスに師事して帰国後、この作品のように中国の故事や日本の神代に題材を求め、彼流の歴史画を試みた。廓然無聖とは『碧眼録』にある仏教用語で、梁の武帝の「何ヲカ聖諦第一トスルヤ」という問いに達磨大師が「廓然無聖ナリ」と答えた故事による。大悟の境地においては捨てるべき凡も求むべき聖もないという禅宗の公案。

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