裸婦

絵画  油彩画 / 明治 / 日本 

満谷国四郎 (1874-1936)
みつたにくにしろう
1900(明治33)年
油彩・キャンバス
80.3×65.2
額装

 十九世紀のフランスで活躍した芸術家に、ジャン=ポール・ローランスという画家がいる。彼は私立の画塾アカデミー・ジュリアンの教師をしていたが、その画塾が多くの留学生を受け入れていたため、ローランスの指導を受けた外国人画家の数は多い。そのなかに、中村不折、鹿子木孟郎、満谷国四郎の三人がいた。
 ローランスの日本の三羽鳥となった彼らは、それぞれ帰国後、独自の道を歩むことになる。歴史画家ローランスの意思を継いだ不折、アカデミックな線描を修得した鹿子木、そして満谷は、光と影を巧みに描き分けるローランスの明暗法を、自らの作品に応用した。
 裸婦の腰にあたる光、背中による影と筋肉の線、右肩から胸にいたる光と脇下の影、顔にさす光と髪をおおう影、ひかる部分を強調するための背景の処理、こういったものすべてが、画面全体のフォルム(肉体の形と動き)を決定している。
 美術学校で制作される、この類の作品は普通、慎重な筆致と描きすぎを特徴としているが、大胆な筆遣いと明暗法の処理のなかに、すでに満谷の個性を見ることができる。 (荒屋鋪透)

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