高麗版大般若経
こうらいばんだいはんにゃきょう
概要
高麗版二一九帖を中心に附【つけたり】の補写経三十二帖を加えた大般若経である。高麗版のうち六帖に重熙十五年(靖宗十二年・一〇四六)四月高麗国の金海府戸長礼院使許珍寿が亡父追善のため大般若経六百巻を摺写供養した旨の墨書がある。この外刻字、版式等よりみて本経がその初雕本による後印か、或いはそれと密接な関係が窺われることは明らかで、高麗前期のまとまった版本として東洋印刷史上にも価値が高い。附の補写経は高麗時代の補写一巻を除きいずれもわが国で補われたもので、書写奥書等によって安国寺への伝来の過程を明らかにして注目される。
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