紀伊国桛田庄絵図
きいのくにかせだのしょうえず
概要
紀伊国伊都郡にあった桛田庄は、寿永二年(一一八三)十月後白河法皇より神護寺に寄進されて以来同寺領となった庄園である。本図は北を上に淡彩を交えて静川、紀伊川に挾まれた〓田庄域を描き、中央に大通、右方に八幡宮の堂舎を示している。簡略ではあるが庄内の田地・山林や庄民の在家二十三宇をよく描き分け、殊に樹木の描写にみられる特徴は鎌倉後期のそれをよく示して注目される。また他庄との堺相論等に際して加筆された書込み等は、本図の庄園絵図としての性格をよく示して興味深い。
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