銅造如来坐像
どうぞうにょらいざぞう
概要
本体及び台座を一鋳とし、光背は別に鋳造している。台座には南朝の宋代元嘉十四年、韓謙が父母妻子兄弟の為に造ったものであることを銘記しているが、尊名については明らかでない。やや面長な面部に品よく引き締った目鼻立ちを表し、撫で肩の体部はまとまりがよい。また衣には左右相称に板状の襞を重ね一種整斉の趣きがあり、火焔光は充分な張りがあって本体及び四脚付宣字座とよく調和している。
本像は前代からの仏像の中国化の一帰結を示すもので、しかも北朝とは異なる様式を示し、きわめて作例の少ない南朝の遺品として正に貴重な一作である。