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糸魚川・能生の舞楽

いといがわのうのぶがく

概要

糸魚川・能生の舞楽

いといがわのうのぶがく

無形民俗文化財 / 中部 / 新潟県

新潟県

指定年月日:19800128
保護団体名:天津神社舞楽会,白山神社文化財保存会

重要無形民俗文化財

 この芸能は、日本海側に点在している民俗芸能としての舞楽の一つで、越後の富山県境いに伝承されているものである。
 糸魚川の舞楽は市内一の宮の天津神社・奴奈川神社の四月の祭礼に境内の石舞台で演じられる。演目は「振鉾【えんぶ】」に始まり「抜頭【ばとう】」「太平楽【たいへいらく】」「陵王【りようおう】」など十二番の舞楽曲があるが、当地独得の「能抜頭」という珍しい曲を伝え、これらの演目の約半数は稚児舞として演じられており、舞い振りや伴奏楽器とその奏法に中央舞楽にはない味わいを見せている。なおこの舞楽に先き立ち、二つの神輿の競り合いが行なわれる。
 能生でも町内白山神社の四月の祭礼に、境内の池の中央に舞台を特設し(楽屋とは十七メートルの橋掛りで結ばれている)、糸魚川と同様な舞楽が演じられる。演目は「振鉾」に始まり「泰平楽【たいへいらく】」「納蘇利【なそり】」「陵王」それに「能抜頭」その他十一番を伝えている。
 平安朝に日本的完成を見た雅楽(舞楽を含む)は、その後地方の社寺を通じて各地に伝えられ、地域の民俗に密着して今日中央のそれとは趣きを異にした。それら今日まで伝承されているのは数えるほどしかないが、この地のものは可憐な稚児による諸曲が多く、芸能の変遷を示す芸能史資料としても貴重である。

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