長滝の延年
ながたきのえんねん
概要
この芸能は、白山長滝神社の祭りに行なわれるもので、養蚕豊作を祈願する修正延年、六日祭、花奪い祭などとも呼ばれる。もと寺院(長滝寺)で行われたため、形式、内容とも古い延年の古風を遺し伝えている点、芸能史的に貴重なものである。
この芸能は、祭殿中央に菓子台を据え、神主、長老、学、中老、太鼓役、笛役などが左右にならび、まず長老の菓子ほめの詞があり、承仕【しようじ】が別座の者に菓子をくばり、菓子台を群衆に投げる。この長老、承仕の所作【しよさ】のあと、若輩が笛、太鼓に合わせて田歌をうたい、当弁の囃子舞、稚児の乱拍子、続いて田踊、大衆舞などが演じられる。特に田踊には小歌もうたわれるなど、延年の演出法としては特色のいちじるしいものである。