根知山寺の延年
ねちやまでらのえんねん
概要
この芸能は大字山寺の日吉神社の祭に演じられるもので、現地では″おててこ舞″などとも呼ばれている。日本海岸沿いに分布の見られる稚児舞楽を中心に、小歌踊、神楽舞などを延年風に仕組んだものである。
おててこ舞はこのうちの風流小歌踊をさし、その芸態は近世初期の歌舞伎踊などを考えるうえに貴重な芸能資料である。
上演次第はまず、露払いのくるいの舞に始まり、小歌踊(おててこ舞)の露の踊、扇踊、若衆踊などの六番、稚児舞楽として鏡の舞、花の舞、鉾の舞など四番、それに神楽舞の種蒔き、しめの舞、万歳、獅子舞の順で進行する。このように種々の芸能要素を競演させている姿は芸能史的評価を高めている。