古実式三番
こじつしきさんばん
概要
中世の寺院では、延年と称する催しが盛んであったが、この催しにはさまざまの芸能が法楽として演じられた。毛越寺の延年はよく知られているが、これに隣接する中尊寺の鎮守白山宮(岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関)の祭にも古くから延年の催しが行なわれていた。今では境内の能舞台で、五月一日から五日までの一日がそれにあてられる。「開口」は一山を讃め、寺のいわれ、延年の次第を翁面の者が説く。「祝詞」はほとんど顔を隠した者が祝詞を経文風に唱える。「若女【じゃくじょ】」は鈴と扇を手に、若女面をつけた者が舞う。「老女」も鈴と扇を持ち、老女面をつけた者の舞であるが、いずれも古風な芸態を遺した芸能であり、芸能史的に価値がある。なお、囃子は笛、小鼓、太鼓である。
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