左官(日本壁)
さかん(にほんかべ)
概要
左官の職名は近世初期には見られ、それ以前には「泥工【でいこう】」「壁塗り」とも称された。わが国の伝統的左官技術には、表面を土で仕上げる古式京壁【きょうかべ】と、漆喰【しっくい】仕上げとする漆喰壁があり、日本壁と総称される。
良質の日本壁を製作するためには、各種素材の吟味から施工まで高度な熟練が必要であり、文化財建造物修理においては、製作された壁の強度や美観が修理工事の良否に大きく影響する。しかし、日本壁製作のような湿式工法には十分な工期と熟練が必要であるため、近年の一般建築においては乾式工法が主流となっている。また湿式工法についても、モルタル下地のうえに合成樹脂系資材で仕上げる工法などが一般化していることから、良質な日本壁を製作できる技術者が激減している。
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国指定文化財等データベース(文化庁)