金剛界八十一尊曼荼羅
こんごうかいはちじゅういっそんまんだら
概要
『金剛頂経(こんごうちょうきょう)』が説く金剛界九会(くえ)曼荼羅の中心をなす成身会(じょうじんね)のみを一図に表し、周囲の賢劫(けんごう)十六尊と四天王を併せ、八十一の諸尊で構成する曼荼羅。9世紀に入唐した天台僧円仁(えんにん)が将来した祖本を鎌倉時代に転写したもので、近江・金剛輪寺灌頂堂(かんじょうどう)に伝わっていたことが知られる。本図に描かれた諸尊は、面長の面部に表された厳しい目鼻立ち、細く引き締まったプロポーション、そして肉身や着衣に強い隈取りを施す点に特徴があり、唐風を色濃くとどめる作風として注目される。
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