船頭平閘門
せんどうひらこうもん
概要
船頭平閘門は,岐阜,愛知,三重の三県の県境付近,木曽川と長良川を繋ぐ水路上に位置している。
船頭平閘門は,水位調節時の停船場となる閘室と,その両端で門扉を収容する閘頭部からなる。明治20年から同45年にかけて行われた,内務省直轄の木曽川下流改修工事で建設された。設計は青木良三郎,野村年らによるもので,明治32年10月に起工,明治35年3月に竣工した。明治から大正期における,木曽・長良川流域の舟運発達と,地域経済の活性化に寄与した。
船頭平閘門は,躯体,門扉とも煉瓦や鉄など近代的な部材を用い,また当時の最新の構法で建設された閘門である。しかも,両端を内開きと外開きの二重の門扉とする複閘式閘門として,我が国最初期のものである。構造形式,築造技術からみて,日本近代の閘門史上,貴重な土木構造物といえる。