焼芋屋

絵画  水彩 / 明治 / 日本 

長原孝太郎 (1864-1930)
ながはらこうたろう
1986(明治29)年頃
水彩、インク・紙
23×30.6
額装

 焼き芋の香ばしさが伝わってきそうな店先に老若男女が集まり、その傍らには犬や猫、ニワトリがいる。明治時代のごくありふれた情景なのだろうが、地域のつながりが希薄になりつつある現在では見かけることもなくなって、どこかうらやましさを感じさせる。
 かなりち密に描き込まれていることから、この絵は完成作かと思いきや、実は白馬会という展覧会の第一回出品作の下絵である。出品作の「焼芋屋」は当時の雑誌に掲載されているものの、所在は分かっていない。
 長原は風刺漫画雑誌「とばゑ」などを刊行し、当時非常に好評を博していた。のちの評論家も、長原を「社会批評としての漫画を芸術家した最初の洋画家の一人」と評している。
 ペン画(本人は「狂画」と呼んでいた)を白馬会に出品したのは第一回展のみ。ペン画というジャンル自体が異色であったが、こうしたものを受け入れた白馬会の革新的な雰囲気、そして明治という時代の懐の探さを感じずにはいられない。(田中善明)

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