円空作仏像薬師像
えんくうさくぶつぞうやくしぞう
概要
・円空(1632~1695)は、美濃国(現在の岐阜県)に生まれ、北海道から京都・奈良まで各地を放浪し、木質をいかした素朴な鉈彫りの仏像およそ10万体をつくったといわれ、全国で2000体が確認されています。
・厳島神社に伝わる円空仏は薬師仏の座像で、像高は台座を含めて43センチメートル、台座の背面に「くすり乃たけごんげん」の銘があります。この像は内浦湾に面した礼文華峠にあるケボロヰとよばれる洞窟にあった5体のうちの1体です。
・5体は蝦夷地を代表する山岳にあて、はるばる霊山を訪ねがたいのでこの洞窟に背銘像をそろえて遥拝したと思われます。
・洞窟に残る仏像を釧路へ移したのは松田伝十郎で、背銘にある山々へおきたいとのことから寛政11年(1799)に有珠善光寺、苫小牧樽前山神社そして釧路へと3体の仏像を移動させました。こうして実に製作されてから131年ぶりに目的の地に安置されることになりました。
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北海道(地方指定文化財)