若一王子神社観音堂及び宮殿 にゃくいちおうじじんじゃかんのんどうおよびくうでん

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建造物 / 江戸 / 中部 

長野県
江戸中期/宝永3年(1706)
 観音堂は、県宝の三重塔の後方に建つ。宝永3年(1706)の「奉建立十一面観世音堂并宮殿」の棟札が建築様式と一致し、宝永3年に建てられたことがわかる。
 観音堂は、方三間の寄棟…
○観音堂 形式:和様三間三面方形切目縁、
  屋根: 茅葺照屋根  軒:柱状328cm、
  頭貫25cm  
○宮殿  形式:禅宗様、入母屋造り、柿葺、
  照屋根、勾配十分の…
1棟及び1基  附 棟札 1枚
長野県大町市大町2097番地
長野県指定
指定年月日:20110929
若一王子神社
有形文化財(建造物)

 観音堂の特徴は、まず、変則的な間取りにある。一般的には側柱筋か、柱間の半分の位置に結界を設けるが、当社観音堂では、奥の柱間より2尺ほど手前という変則的な位置を結界としている。少しでも外陣を広くしたいという意識があったと推定される。
次に、向拝の虹梁や向拝内部の大型の手挾全体に浮き彫りを施しているのも特徴で、宝暦期(1751~63)前後の様式を先取りしている。また、向拝柱の木鼻が正面側に付くのは承応3年(1654)の当社本殿がずば抜けて早い事例である。正面側に木鼻が付くのは信濃一般には享保期(1716~35)以降であるので、当社観音堂の正面側の唐獅子も早い事例となる。唐獅子の木鼻は頭だけでなく胴体付きで、18世紀前期の好例である。こうした個性的な唐獅子は宝暦期以降には次第に定型化していく。
 そのほか装飾的な部分をみると、蟇股は上部に茨状の突起をつけるなど個性的な輪郭が特徴である。内法長押の釘隠を木製彫刻としているのは珍しい。宮殿には他にあまり例のない特徴がいくつかある。まず、軒裏一面を雲の浮き彫りとしている点である。
 この技法は、前年の宝永2年に建てられた念来寺鐘楼(松本市有形文化財)が我が国現存最古で、これを参考にした可能性が高い。次に、蟇股内部に海老・蟹・蛸というふつうの花鳥風月にない題材を用いている点である。ユニークである一方、蟇股の脚には江戸前期までの様式とされる若葉の彫りが残っており、伝統的な技術の上にさらに斬新さを求めた工匠の姿勢が伺える。
 以上の通り、県内では発達した華やかな装飾を備えるが、全国的には江戸中期の寺社建築は、立体化した彫刻による装飾が増…

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