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密教法具〈(伝弘法大師将来)/〉

みっきょうほうぐ〈でんこうぼうだいししょうらい〉

概要

密教法具〈(伝弘法大師将来)/〉

みっきょうほうぐ〈でんこうぼうだいししょうらい〉

工芸品 / 平安 / 近畿

平安

いずれも鋳銅鍍金。
金剛盤は、通常の四葉蓮華形と異なり、三葉形で正面を連弧状につくった大形の盤である。縁は広く、胎面は深く窪み、胎面の縁周りには線彫りで内向連弁をまわし、その全面中央から日本の蓮華を左右に出して、中葉胎面に鉢峰輪宝とその全面に三鈷杵を表している。その左右の各鈷間には金剛鈴、金銅鏁、金剛索、金剛鈎を線彫りしている。左右、後の下面に忍冬蔓形の三脚を鋲止めしている。
五鈷鈴は、撫肩裾張りで、二重紐を三段にまわしたふくらみのある簡素雄大な姿で、把に著しく大きい鬼目をつくり、上下に八角三条の紐で約した鉢は素弁の蓮把を飾る。鈷は張り強く、中鈷は周りの四鈷よりやや長く八角形で本を三条の紐で約し、鈴心に鍛鉄造りの舌を垂れている。
五鈷杵は、八角形の把の中心切子形の稜線を境として、左右の八角各面に猪目形の眼を打ち込み、さらにその左右に素弁八用の蓮弁を伏せ、三条の紐で約し、弁端に小刻みをつけ蕊を表している。四方の鈷は張り強く、匙面に取り、棟に雲形子鈷三段を付ける。中鈷は八角形匙面取りで、まわりの四個よりやや長く作り、もとに三条の線をめぐらす。把の鬼眼鳴かんお三つに舎利嵌入の穴をふさいだ後と見られる埋金がある。

金剛盤 縦19.7 横34.8 高6.6 (㎝)
五鈷鈴 高25.8 鈴身高7.3 口径7.7 (㎝)
五鈷杵 長24.0 (㎝)

重文指定年月日:19610427
国宝指定年月日:19610427
登録年月日:

宗教法人教王護国寺

国宝・重要文化財(美術品)

弘法大師請来目録(大同元年10月23日)に記載があるもので、『東宝記』によると永久六年後七日御修法道具目録にも記されている。その後唐櫃に納め伝え、弘法大師請来依頼、真言密教根本の修法道具として相承してきたものである。本来は九種あったものであるが、再々の盗難などによって紛失、補充されたりしたが、本五鈷鈴、五鈷杵、金剛盤は請来当初のもので、その様相が極めて力強い。

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