布袋蔣摩問答図
ほていしょうまもんどうず
概要
牧谿に代表される禅僧による水墨画は、元代にも独自の展開を見せた。因陀羅はインド僧ともいわれる伝記不明の画僧。禅宗の祖師や在俗の聖人、禅僧と俗人の対話の場面を描き、賛者も同じ一連の作品が伝わっている。もとは一具をなしていた画巻から切断された可能性が高い。本作品は、布袋と親孝行の蔣摩訶(商莫迦)が問答する様を描く。禿筆(とくひつ)によると思われるぎこちない線描と濃墨を組み合わせた特異な画風を示すが、人物の表情の捉え方は非凡で、すこぶる禅味に富む。賛者の楚石梵琦(1296〜1371)は元末明初の禅僧で、能書として知られる。
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