百村の百堂念仏舞
もむらのひゃくどうねんぶつまい
概要
この芸能は、今は栃木県黒磯市百村の鎮守愛宕神社の祭礼(四月二十三日)に奉納されているが、かつては盆行事の一つとして村外れの辻や村の社寺の前で行われたものである。
楠正成の人形を竿の先に掲げた花マンドウを先頭に、上に阿弥陀仏を載せた花笠をかぶり腰に太鼓をつけた太鼓打ち、鉦と撞木を手にした少女たちの撞木切り、輪鉦を手にしたナリフリ(形振)、念仏唄役、警護役等が列をなして梅若念仏を声高に唱えながら練り込む。踊り場に到着すると、撞木切りは鉦をたたきつつ踊り、太鼓打ちは腰のものを打ちつつ踊る。最初は笛のみの伴奏で踊り、次いで南無阿弥陀仏の念仏頭に合わせて「綾念仏舞」を舞う。
太鼓打ちは三匹獅子舞の花笠様であり、その頭の花笠が岩手の大念仏の大笠を小型にしたものであるなど地方的に特色のある念仏踊である。
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