紙本金地著色萩芒図 長谷川等伯筆六曲屏風
しほんきんじちゃくしょくはぎすすきず はせがわとうはくひつ ろっきょくびょうぶ
作品概要
6曲1双の総金地の屏風に,秋草の萩と芒を描く作品である。両隻の端に押される「等伯」印は,桃山時代に活躍した絵師,長谷川等伯(1539~1610)の基準印で,慶長4~8年(1599~1603)まで使用が確認されるため,本図もこの時期の制作と考えられる。右隻には白い花を付けた萩が,左隻には芒が描かれている。両隻とも右から左へ吹き抜ける風が表現されており,丁寧な描写と卓越した構成力,加えて背景の金地の効果で,たいへん華やかな画面となっている。等伯の金地著色画(金碧画)といえば,智積院障壁画(国宝)が有名だが,現存作品数は少なく,本図は数少ない等伯の金碧画として貴重である。