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小浜島の芸能

こはまじまのげいのう

概要

小浜島の芸能

こはまじまのげいのう

無形民俗文化財 / 沖縄

選定年月日:19951226
保護団体名:小浜民俗芸能保存会

記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財

 小浜島は石垣島の西方約一一キロの海上に浮かぶ島で、結願祭や盆に沖縄地方特有の味わいをもった諸種の民俗芸能が伝えられている。
 最も芸能が豊富に行われるのは、一年間の願を解き、また翌年の豊饒を祈願する結願祭の時である。四日間のこの祭りの折、北と南の二集落に分かれ、それぞれの芸能を競演する。北には弥勒面を管理するミルクヤー、南に福禄寿面を管理するフクルジュヤーという役持ちの家があり、そこを中心として踊り担当者(ブンドゥリニンズ)、狂言担当者(キョンギンニンズ)、音楽担当の地方(ヂィー)の諸役が直接芸能に携わるが、ほかに地区会長が務める総代(スータイ)、会計その他諸事を管掌するナカス役なども祭祀全体の運営に重要な役割を果たす。ここでの芸能の上演は伝統的な厳密な祭祀組織に支えられている。一日目はスィクミ(仕込み)といい、両集落それぞれに本番に合わせた稽古準備をする。その夜、島の各ワン(御獄)ではチイー(神女)が夜籠りをする。二日目をショウニチ(正日)と称し、カワニワン(嘉保根御獄)前の広場で、舞台掛けして盛大に種々の芸能が演ぜられる。朝、ザーマーリィ(座廻り)と称して、北、南の両集落の演者一同が、それぞれ弥勒、福禄寿を先頭にして広場に入場し、棒踊りなどがあってから、二間半四方の舞台が二〇分位いの間に一気に設置される。北、南両集落交互に出される芸能には、多種多様な舞踊や狂言があるが、ブーピキ踊(苧引き踊)、ショバンキョンギン(初番狂言)など、この島独特の演目があり、また強い信仰意識のなかで演じられるものであるため古朴な味わいがある。
 また旧暦七月の盆の時にも、北、南の二集落に分かれて、念仏踊を踊るが、本土の念仏系芸能の古風が、沖縄風に変容されてとどめられている。そのほかに島にはダートゥダーという仮面をかぶった異装の態のものが登場する独特の芸能も伝えている。
 今日小浜島は他の島々と同様、過疎化が進行しており、旧来の伝統が失われつつある。早急に記録を作成し保存する必要がある。

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キーワード

/ 芸能 / 踊り / 踊る

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