法隆寺縁起白拍子
ほうりゅうじえんぎしらびょうし
概要
本書は康安二年に法隆寺僧重懐が撰述した法隆寺縁起白拍子の著者自筆本で、縁起白拍子の現存唯一の古本として著名な遺巻である。縁起は全文七ヶ条から構成され、各項とも文首に標目を事書し、文末は囃言葉で結び、白拍子の趣を伝えている。本文は片仮名で、一部漢文体を交え、文中には全体に亙って墨訓・音点、或は朱連続符・拘点等が付されているが、傍訓は比較的古体の仮名を用いている。巻末には本文と同筆で貞治三年八月九日の重懐書写奥書があって、その書写年代を明らかにし、ついで同筆でこの本を後代の亀鏡とするため重懐に誂えた旨の盛範の識語が付されている。
所蔵館のウェブサイトで見る
国指定文化財等データベース(文化庁)