続華厳経略疏刊定記巻第五 ぞくけごんきょうりゃくそかんじょうきかんだいご

文書・書籍 / 奈良 / 関東 

東京都
奈良
1巻
東京都世田谷区上野毛3-9-25
重文指定年月日:20190723
国宝指定年月日:
登録年月日:
公益財団法人五島美術館
国宝・重要文化財(美術品)

 本経は、唐代の華厳学者慧苑の撰による八〇巻本『大方広仏華厳経』の注釈書である。同経は、撰述後すみやかに日本へ伝えられて奈良時代にはある程度書写が行われていたらしく、いくつかの遺品が知られている。しかし、慧苑の説を批判した澄観の「大方広仏華厳経疏」が伝わってからはあまり書写されなくなったらしく、平安時代以降の書写本はほとんど知られていない。
 本経は巻第五にあたり、一五紙分が伝わっており、これは巻第五全体の約四分の一弱程度にあたる。尾題の後には本文と同筆で「無上菩提因/近事智鏡」とあり、本文の書写が智鏡なる僧によるものと考えられる。我が国における訓点の記入は奈良時代末に始められ、当初は句切点と返点のみが用いられていた。本書の巻末には二つの校合奥書があり、延暦二年(七八三)に東大寺において「新羅正本」と校合したこと、および、延暦七年に「唐正本」と校合したことを記している。本文には、これらの校合で加えられたと考えられる朱や白の書き込みが多数ある。なかでも本文右傍に朱で漢数字が記入された箇所が三〇箇所以上あり、読み順を示す返点と考えらる。返点は一から五までの漢数字が用いられている。なかには「四」を「一一一一」、「五」を「一一一一一」で表している例がある。また、「一」を「・」で表現する場合もある。なお、第一二紙の「依正嚴」には、右傍に上から「一、二、三」と漢数字が書かれていて、返点ではなく、上から順に読むことを示している。
 本書は、訓点が記入された我が国最古の事例であり、訓点記入が始められたばかりの原初的な形態を現在に伝えていて、国語学、仏教学研…

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