黄瀬戸獅子香炉
きせとししこうろ
概要
四脚の香炉には、大き目の蓋が付く。蓋には両手を合わせたような姿の猿が乗り、鈕(つまみ)となっている。香炉の形は、龍泉窯(りゅうせんよう)青磁の袴腰(はかまごし)香炉と似ているが、動物の頭が肩に付き、四脚は獣足である。室町時代末頃より、美濃の窯では中国から将来された青磁の器物を倣うようになり、これもその一例である。この香炉は、小堀宗中の筆になる「瀬戸 香炉 獅子」の墨書が箱の蓋表にあり、万治元年(1660)の序を持つ『玩貨名物記』に見られる「瀬戸ひらしゝ」にあたるものではないかと言われている。
所蔵館のウェブサイトで見る
公益財団法人 根津美術館