能登内浦のドブネ
のとうちうらのどぶね
概要
我が国の木造和船は、構造や造り方などから大木を刳って造る刳舟系統のものと、板材を合わせて造る大板構造のものとに分けられる。刳舟系統のうち、刳舟の技法を残しながら大板構造の船へと変遷する過程を示すものにオモキ造りと呼ばれる技法で造られた舟があり、和船発達史上重要な資料である。
能登内浦地方では、このオモキ造りで造られた大小各種のドブネが使用されてきた。この資料は、能都町の波並大敷組合が鰤の大敷網漁に使用した3隻のドブネと、それに付属する船具などの資料一式である。いずれのドブネもこの地域の造船所で造られ、平成9年まで鰤の大敷網漁で使用されていたものである。