ヴィーナスの夢
ヴぃーなすのゆめ
概要
シュルレアリスムを代表する画家であるダリは,スペイン・カタルーニャ地方の小都市フィゲラスに生まれました。若きダリは,カラヴァッジョやフェルメールなどの巨匠の作品から多くを学び取り,その影響は,写実的な筆遣いや効果的な陰影表現から垣間見えます。
燃えるキリン,柔らかい時計,群がる蟻など,ダリの世界を特徴付けるモチーフが数多く用いられている本作は,1939年のニューヨーク万国博覧会において,彼が手掛けたパビリオン「ヴィーナスの夢」内部に展示するために制作されました。
パビリオンでは,本作のそばに,長さ10メートルほどにもなる赤いサテン生地のベッドを設置し,その上にヴィーナスに扮した女性を横たわらせました。本作は,そうしたインスタレ-ション的な展示方法も活用しながら,眠っているヴィーナスの夢を表現した,ダリの画業を代表する作品の一つです。