薄紅地籠目花丸模様唐織
うすべにじかごめはなまるもようからおり
概要
薄紅地に籠目文と色緯で梅、芍薬、菊と3種類の花の丸文とその間に萩と鉄線花を配した唐織である。色緯には紅、黄、浅葱、紺、萌黄、黄緑、茶、薄茶、薄紫、白等が使い分けられ、籠目文や花の一部は金糸で織り出され、実に華やかである。暖色系の色目が多い中で浅葱や紺が効果的にあしらわれている。
東京国立博物館にも同趣の「唐織 淡紅地籠目秋草花丸模様」が上杉家伝来品として所蔵されている。唐織は一度に数領分が織られると云われており、仕立て形状に違いがあるものの、同時に織られ、いずれかの大名家に伝わったものであろう。