庄内出羽人形芝居
しょうないでわにんぎょうしばい
概要
秋田県の猿倉人形芝居にその源流を持つ出羽人形芝居、山形県庄内地方へは戦後、先代津盛柳太郎によって伝えられ、現在は二代目津盛柳貳郎(齋藤均)により継承されている。人形の操法は、人形の衣装の裾から腕を入れ(裾突っ込み)、親指と小指にそれぞれ人形の手をはめ、人差し指と中指の間に首を挾み(ハサミ式)、左右の手で二体の人形を操る(二つ遣い)形式の操法で、人形のセリフも人形遣いがこなす独得の様式である。この操法により人形の頭の素早い交換が可能となり、人形芝居独特の醍醐味となって見る者を飽きさせない展開となっている。また、中腰、立ち膝で舞台陰で端から端まで動き回る(陰遣い)。上演は、人形遣い1名、後見人(手子(てこ))1名で行い、お囃子はあらかじめ録音された媒体を使用している。劇場などの大きな上演時には、三味線、唄い手が付く。演目は、出羽人形ばやしの三味線と太鼓、唄のリズムに乗って和尚と若い娘がコミカルに踊る「出羽人形ばやし傘踊り」や「春日熊野丞たぬき退治」を演じ、また、創作人形芝居も演じている。いずれも民謡風の囃子にのせ、庄内弁の軽妙なセリフと曲芸的な演技を特徴とする。